<表紙> JUMP TO SCIENCE, SUMMER CAMP 2022 科学へジャンプ サマーキャンプ2022 報告書 日程:令和4年9月23日(金・祝)~24日(土) 場所:新潟大学駅南キャンパス「ときめいと」(ワークショップ) ホテルグローバルビュー新潟(宿泊、イベント) 主催:科学へジャンプ・サマーキャンプ2022実行委員会 後援:NPO法人 サイエンス・アクセシビリティ・ネット <スケジュール> 9/23 (金) 10:00~10:30 集合/受付、施設案内 10:30~11:30 開会式・自己紹介 ときめいと講義室A・B 11:30~12:30 昼食 ときめいと周辺飲食店 12:30~14:30 ワークショップ1 ときめいと講義室A・B 15:00~17:00 ワークショップ2 ときめいと講義室A・B 17:00~17:30 ホテルへ移動・チェックイン ホテルグローバルビュー新潟 17:30~18:30 夕食 ロイヤルホスト 19:00~21:00 チーム対抗クイズ大会 会議室「春日」(ホテル3階) 21:00~ 入浴・就寝 9/24(土) 6:30~ 8:00 朝食 ダイニング エディット エチゴ(ホテル2階) 8:30~ 9:00 ときめいとへ移動 9:30~11:30 ワークショップ3 ときめいと講義室A・B 11:30~12:45 昼食 ときめいと周辺飲食店 13:00~15:00 ワークショップ4 ときめいと講義室A・B 15:00~15:30 閉会式 ときめいと講義室A・B 15:30~ 見送り <ワークショップ実施報告> バーコードの達人 担当: 小林真・Robinson Thamburaj 参加生徒: 1回目 高校生6名,2回目 中学生4名 ワークショップの目的と狙い 普段身近なバーコードの仕組みについて学び、その数字の持つ意味や読み込みエラーをなくす工夫といった知識を得ることで、社会・経済とIT技術の繋がりについて興味を持ってもらう。また、数字を表すコードの組み合わせについて考えることで、論理的思考を身に付ける。 準備した教材  バーコード記載のある菓子類  バーコードリーダー  パソコン(バーコードリーダーの読み取った数字を表示するため)  13桁と8桁のバーコードの立体コピーと墨字印刷物  8桁の左側と右側を拡大した立体コピーと墨字印刷物  バーの組み合わせを検証する立体コピーの枠とコマ  バーの組み合わせを解説した墨字と点字の資料  ホワイトボードと立体コピーで自分のバーコードを作ることができる教材 ワークショップの流れ 1. 事前に準備したり参加生徒に持ち寄ってもらったりした菓子類の箱をバーコードで自由にスキャンし、国内製品は49や45といった決まった番号で始まっていること、桁数は8桁か13桁に決まっていることなどに気づいてもらう。更に同じ会社の製品は途中まで番号が同じということに気づくよう促す。 2. 国、事業者、製品に割り当てられた桁数とチェックデジットの仕組みについて解説する。チェックデジットについて個別に計算し、その値が合っていることを確認してもらう。 3. バーコード全体像の立体コピーと印刷物を配り、8桁のバーコードの本数を数えさせる。左右と中央のガイドバーについて説明し、それら6本を引いた場合に1つの数字あたり2本のバーで構成されていることを計算させる。しかし13桁のバーコードは数が合わない。ここで最初の1桁は12桁の左側のバーに隠されたコードで表現していることを説明する。(最後に解説する旨を説明し、ここでは詳しく説明しない。) 4. 拡大したバーコードの立体コピーと印刷物を配り、7セグメントで構成されていること、左側は白で始まって黒で終わっていること、右側は黒で始まって白で終わっていること、右側のバーは黒の幅の合計が偶数であることなどを説明する。ここで「偶数パリティ」という言葉についても説明する。これらの仕組みにより、チェックデジットと合わせて読み取りエラーを回避していることを説明する。 5. 前述した条件に合致する右側の組み合わせを考えさせる。1セグメント分のバー2本の場合、ずらしていくと4種類実現できる。1と3セグメントの場合は2種類、3と1セグメントと2と2セグメントの場合もそれぞれ2種類あるため、全体で10種類実現できることを確認する。(この説明時に立体コピー教材を利用する予定であったが、当日紛失してしまい触って考えさせることができなかった点が大きな反省点である。オセロ盤などを利用するのも有効であると思われる。) 6. バーの組み合わせを解説した資料を渡し、左側は右側の白黒反転によって「白で始まり黒で終わり、合計が奇数になる」コードを実現していることを説明する。また、左側の「偶パリのバージョン」を、右のコードを左右反転させることで実現し、その偶奇の組み合わせにより「1番目の数、すなわち13桁目の数」を埋め込んでいることを説明する。 (偶奇の組み合わせを説明した点字資料が、自動点訳で急ぎ前日に出力してきたものであったため「奇遇」を「たまたま」と訳してしまっていた。生徒たちの笑いは得ることができたが反省点のひとつである)    (写真) バーコード全体像の立体コピー (写真) ホワイトボード上にバーを並べていく様子 7. 最後に、8桁のバーコードをホワイトボード上に並べる演習を行う。チェックデジットの部分だけ取り除いておき、7桁の数字だけ与える。生徒たちは資料を見ながら数字に対応するコードを探し、対応する立体コピーを並べていく。そしてチェックデジットを計算し、それに対応する部品を数ある中から探して完成させる。 8. 完成したバーコードを、スマホやタブレットのアプリで読み込み、意図した8桁の数字が読み取れたところでワークショップは終了となる。   (写真) 作ったバーコードをスマホアプリで確認する様子 3D教材を使った学習 担当: 渡辺哲也、南谷和範 参加生徒 1回目中学生4名,2回目 高校生6名 ワークショップの目的と狙い 触図よりも立体教材の方が分かりやすいことを体感してもらう。 3Dプリンタを使った教材に興味を持ち、3Dプリンタへ期待を寄せてもらう。 準備した教材  触図 (参加人数分)  立体模型(各種類1~2体)  さわって当てよう 何かなBOX ワークショップの流れ 1. 線図と板状の比較(主に社会) 実施者は「さわって当てよう 何かなBOX」に立体コピーによる線図を入れる。参加生徒はこれを見ないで触り、それが何の図かを考え、回答する。次に、実施者は同じボックスに先ほどの図の立体物を入れる。参加生徒はこれを触り、それが何かを考え、回答する。それぞれの正答/不正答の状況から、立体物の方が分かりやすいことを体感してもらう。今回用いた図・立体物は、太陽の塔、フランシスコ・ザビエル像、都道府県の形である。 (写真)ザビエル像の線図 (写真) ザビエル像の立体模型 (写真)県の形の線図 (写真) 平板ピース状の県の形 2. 都道府県パズル(社会) 都道府県パズルを組み立ててみる。参加生徒の出身地を考慮して、中学生には近畿地方を、高校生には関東地方を、2人ずつのグループで組み上げてもらう。 (写真)都道府県パズルを組み立てる様子 3. DNAの二重らせん模型(理科)ホワイトボードを使う DNAの二重らせん構造、塩基について、その模型を触りながら、説明を聞いてもらう。 4. いろいろな模型を触る 時間があれば、原爆ドーム、広島県産業奨励館などの模型を触ってもらう。 (写真)DNA模型を触察する様子 (写真) 原爆ドームの模型 その他書き残しておきたいこと(自由記述) ・ 太陽の塔は線図とヒント(大阪にある)で見当が付いたが、フランシスコ・ザビエル像は立体模型であっても人物の特定は難しかった。ただし、頭部や腕の様子などの特徴的な箇所はヒントになった。 ・ 都道府県をその形から特定する課題は、線図でも平板ピースでも難しかった。このためパズルを組み上げることも難しく、時間を要した。 ・ DNAの二重らせんのように、模式化されたものは分かりやすかった。 CODE JUMPER「はじめての音階プログラミングに挑戦しよう!」 担当: 村田勇樹・赤木雅弥 参加生徒: 1回目 高校生6名,2回目 中学生4名 ワークショップの目的と狙い マイクロソフト社が開発したCode Jumperを活用し、プログラミング的思考(論理思考)の基礎を学ぶ。Code Jumperはハブと呼ばれる制御装置に様々な種類のポットを接続することで実体のあるデバイスに触れながらコードを組み立てることができる。実際に組み立てたコードは音声情報としてフィードバックされるため、視覚障害をもつ受講生の場合でも触覚と聴覚を利用したプログラミングが可能となる。今回のワークショップでは、Code Jumperの標準機能を使いながら様々なグループワークに取り組む。課題を通して、受講生自身がもつ音のイメージを自由に表現したり、仲間と協力して作曲に挑戦したりすることで、限られた時間と機材を上手に組み合わせながら、表現する面白さを体感することと同時に、論理思考の獲得を目指す。 準備した教材  Code Jumperセット × 4 ポッドは種類ごとにわけ、受講生が自由に触れられる位置に配置する。 ループポッドはケーブルを接続し、輪を作っておくとイメージが進む。  Bluetooth接続が可能なノートパソコン × 2 ノートパソコンには予め、Code Jumper専用アプリをインストールする。  黒色の模造紙(作業台とCode Jumperのコントラストを上げるために使用) 白い作業台で実施する場合には、ポッドが同化して見える場合があります。  グループワーク課題のMP3音声データ(課題の提示・答え合わせなどに利用)  簡単な童謡のフレーズなどの音階をメモしたもの 参加生徒に持参してもらう。        (写真)ポッドの事前準備   (写真)黒色の模造紙 ワークショップの流れ ① ハブとパソコンが接続されていることを確認し、ハブを手に取りながらボタンの形状やポートの数などを理解する。また、再生ポットについても同様に形状を理解する。再生ポッドをハブに接続し、2つのダイヤルを回した時の変化を確認しながら、音階の再生方法を習得する。2つのダイヤルを回した時の変化に気づけるように適宜、声掛けを行う。 ② 複数の再生ポッドを接続し、「ドレミ」「ドミソ」など一定のフレーズを組み立てる。事前に収録していた音源を再生しながら、音の高さや長さを自由に変更できるようになる。また、休符ポッドも加えながら、自由にフレーズを組み立て、「ドレミファソラシド」や「学校のチャイム」、「ふるさと」などの小課題を提示する。グループの進捗度や理解度等に応じて、提示する課題の量や難易度を変更できるように準備する。組み立てたコードが音声情報(音階・音源)としてフィードバックされる過程を繰り返すことで、Code Jumperの基本的な使い方を理解することができる。 ③ ループポッドの役割や形状を説明し、繰り返しの概念やインクリメント、そして、デクリメントの仕組みを学ぶ。この時、ループポッドには、予め延長ケーブルを接続し、ポッド内に輪を作っておく。当日は輪ができていることで、ループのイメージを受講生に対してスムーズに伝えることができた。ここまでの演習として、「カエルの歌」や「チューリップ」などの作曲課題を提示し、少ないポッドで作曲するための工夫をグループで考える。数分おきに事前に収録しておいた音源を再生することでイメージをつかむ。ループポットは盲者(視認が難しい受講生)にとって、コードの全体像を把握する過程において、難易度が一段階上がることになるため、手を取り合いながらの丁寧な状況の説明が必要になる。 ④ グループで完成できたタイミングで答え合わせの時間を設ける。隣のグループの曲と若干の違いがあるときには、違いは何なのかを全員で確認し、可能であればお互いのコードに触れて変化を理解する時間も設ける。「違い」を言葉で説明できることで、視認が難しい受講生の理解が進む。 ⑤ ③④の過程を、曲を変えながら繰り返し実施し、中学生の最終課題は「カエルの歌(輪唱)」、高校生の最終課題は2重ループを組み込んだ「チューリップ」とした。輪唱はスレッドの機能を活用し、受講生全員が各パートを分担しながら作曲した。そして、2重ループの概念については、繰り返しの中に繰り返しを入れ込む構造であり、若干、難しい概念ではあったが、曲の中で規則的に繰り返されている部分も見つけ、グループで試行錯誤することで、完成までたどり着くことができた。 その他書き残しておきたいこと(自由記述) ・ 視認が難しい受講生がコードの全体像を把握するためには、丁寧な状況の説明や手を取り合いながらの確認作業が必要になるため、受講者全員が同じ進度で参加できない場合もあった。今回は受講生2人に対して1人のサポーターを配置し、課題の内容も弾力的に変更できるように難易度別に複数準備することで対応することができた。 TEXTSCORE:音楽をプログラミングしよう 担当: 井上浩一 参加生徒 1回目 中学生4名,2回目 高校生4名 ワークショップの目的と狙い テキスト入力方式の演奏体験を通して、コンピュータに与える指示を考えてそれに基づいてコンピュータが結果を返すという意味でのプログラミングを体験する。 準備した教材  パソコン(クラス人数分)、フルキーボード、マウス(拡大利用者用)、インターネット接続できること  音楽プログラミングシステムText Score https://ts.sciaccess.net/  Text Scoreのアカウント: 全体で一つ作成  テキストファイル:よく知られた曲冒頭の演奏命令、間違った演奏命令、仮名書きした楽譜など  スピーカー(ワークショップ担当者のPCから十分な音量が出せるよう用意) ワークショップの流れ 1) ワークショップの紹介 ・狙いの説明と各自のパソコンや音楽に対する経験把握 ・Text Scoreで既存のデモ曲を演奏 2) メロディー編 ・お試し演奏画面の使い方、音の高さ、ステップ、長さを選んで楽譜に追加、再生ボタンを押して演奏という基本操作を覚えます。 ・高さ、ステップを変えることでメロディーやリズムを作れることを学習します。 3) ドラム編 ・お試し演奏画面でドラムの入力方法、打楽器の種類とステップでリズムパターンを作れることを覚えます。 ・サンプルのパターンを聴いてもらい、同じパターンをつくって演奏してもらいます。 ・楽譜エリアの内容、たとえば数字を変えることで打楽器を修正したり、繰り返し記法などを少し導入します。 4) 演奏命令(楽譜)に親しむ ・例としてチューリップの冒頭部分の演奏命令をテキストファイルで示し、何の曲か当ててもらいます。 ・今度はかえるの歌の演奏命令で一部を間違えたものを示し、読んだり演奏させたりして間違い箇所を探し、直してもらうことで演奏命令に慣れてもらいます。 5) 入力演奏課題 ・30分程度の時間で、書き留めたり覚えてきた曲などをそれぞれに入力してみます。何度も試しながら少しずつ作り上げていきます。 ・最後にそれぞれが入力した曲を演奏させて発表してもらいます。   (写真)Text Scoreで作曲している様子 その他書き残しておきたいこと(自由記述) ・ モチベーションの維持において、生徒を細やかにサポートする学生スタッフに負うところが大きいと感じます。 ・ ブラウザはChrome、スクリーンリーダーは生徒の慣れているPC-Talkerを使用しました。 ・ 拡大を利用する生徒はマウスを希望しました。準備しておくと良さそうです。 ・ コンピュータの扱いは慣れている生徒が増加している印象ですが、それでも幅があります。学生スタッフにつきっきりで対応いただく姿が多くみられました。作業の早い生徒には他の課題を都度考えて提供しましたが、あらかじめ備えておくと良さそうです。 ・ Text Scoreで曲やトラックを意識せずにいきなり取りかかれるお試し演奏画面を新たに開発して利用しました。取りかかりはスムーズでしたが、最後まで保存する場面がなく、何も記録が残らないことになったのがやや残念です。 ・ 今回生徒のスキルが向上していることをある程度想定して、テキストファイルの閲覧や全選択によるコピー&ペーストなどウインドー切り替えが必要な操作を使いました。これも学生スタッフの補助でスムーズに進行できました。 ・ 入力演奏課題では最初に曲保存の方法を解説して、状況によっては1曲をペアで作ることも検討しましたが、様子を見て結局個別にお試し演奏画面による演奏のまま進めました。 <参加生徒からの感想> 無題 中1男子(ロービジョン) まず、今回のサマーキャンプでは友達がたくさんできました。自分と同じ共通点のある友達ができてうれしかったです。次回も参加したいです。 バーコードの授業は最初は難しかったけれど、面白かったです。1つの数字につき2本の線が引かれていたり、左はし・真ん中・右に2本線が引かれているなど、身近に感じていなかったことをこの機会を通じて知ることができました。 夕食の時は、みんなと話せて楽しかったです。子どもだけで新潟まで行ったのは冒険だったし、サマーキャンプでいろいろなプログラミングができたことを学校の友達に話したら驚かれました。視覚障害者も工夫したら便利に生きていけるのだなと思いました。連絡先を交換したので、またみんなに会えたらうれしいです。ありがとうございました。 無題 中2男子(ロービジョン) 僕はこのサマーキャンプはとても楽しみでした。「新潟まで自分の力で行くってどんなのなんだろう」や「まあ、迷ったら近くにいる人に聞こう」と考えていたので不安は一切ありませんでした。新潟に着き会議室Aに入るとグッと緊張に襲われましたが自己紹介の自分のターンが終わった瞬間一気になぜか緊張がほぐれました。そのあと他の参加者との会話がとても楽しかったです。 ワークショップは、3Dプリンター、バーコード、音楽とどんな難しいことするのだろうと不安でした。でも授業を受けると二人で協力しながら授業を受けれるということでとても楽しめました。特にバーコードなどは、自分が理解に苦戦しても一緒に授業を受けていた人が計算や理解が早くヒントをもらったりして一緒に授業を受けるということが楽しかったです。僕の盲学校のクラスは一人だったので余計に楽しかったです。 僕が一番印象に残ったのは「ヒマな時何をしますか?」という質問です。なぜなら僕は普段ゲームばかりしてるから何をしているのだろう?と思い聞いてみると点字で本を読んだり、ボディーパーカッションなどで自分の楽しみ方を見つけているような人たちとしゃべれLINEなどでも話せる環境できたことがとてもうれしかったです。 科学へジャンプサマーキャンプ2022感想文 中2女子(ロービジョン) 私は今回初めて科学へジャンプに参加してとてもいい経験ができました。最初とても緊張していたのですがすぐになれることができてよかったです。新潟県にも初めて行って素敵なところでした。今回、私は自分の意志で参加しました。 ワークショップはとても難しいと思っていましたが、実際は楽しくて時間がとても速く感じました。バーコードの仕組みを学ぶのも、わかりやすかったです。都道府県の形もわかりやすいものもあれば、少し難しいものもありました。それでもわかると面白いと思いました。 二日目の音楽のプログラミングもパソコンに音を鳴らすのは操作がどんどん難しくはなりましたが、音が鳴ったときはうれしかったです。きれいな音がでるのは気持ちがいいです。 そのほかにも友達ができるように周りの人が話しかけやすい環境を作ってくださったのでとても打ち解けやすかったです。学生スタッフさんもその場で仲良くなった友達もとても優しくしてくださったので心が早くに落ち着きました。学生スタッフさんに、誘導をお願いするのも自分から言えてよかったです。勇気を出すのもあまりない経験だったので、自信がつく機会となりました。 一緒に食事をしたりお風呂に入ったり話をすることで友達ができました。仲を深めることができて本当によかったです。今回のサマーキャンプに初めて参加していろいろなことが知れてよかったと思いました。とても楽しいことも多かったですし、人に自分から話しかけるということにも自信がつきました。とてもいい思い出になりました。 皆さん本当にありがとうございました。次回もまた参加したいです。 またこのようなイベントがあれば参加したいと思いました。 無題 中3女子(ロービジョン) 今回のサマーキャンプを知った時、初めは新潟ということもあり、参加をためらっていました。参加が決まった後にも向こうで友達はできるだろうか。ホテルは相部屋だろうか。こんなに難しそうなワークショップばかりなのに楽しめるだろうか。などと様々な不安が渦巻いていました。でも、最高の2日間を過ごした今では参加して本当に良かったと思っています。 行ったすぐの自己紹介から空気が和み、その後も毎回違う子との食事やワークショップを重ねているうちに一日目が終わるころにはすっかり仲良くなっていました。また、座談会でいつもはあまり人に話せないことや質問、上手な生き方などを教えていただくことができて勉強になりました。夜にも女子会をしたり、一緒に大浴場に行ったりと同じ部屋でない子ともとても仲良くなることができました。 二日目は前日とはまた違った距離でワークショップや食事などを楽しむことができ、今日帰らなければいけないということを認めたくありませんでした。二人が少し早く帰ったのがとても寂しく、惜しかったけれど、その後もみんなで最後まで楽しみつくすことができました。心配していたワークショップは全て手元でゆっくり触ったり、見たりしながら学習でき、分かりやすく面白く教えていただいたのですべてとても楽しかったです。 閉会式の時にはみんなキラキラ、にこにこしていて、もちろんすべてが最高だったけれど、それだけで来てよかったなと思えるほど、本当に素敵でした。今回のサマーキャンプで、将来の夢もまた少し固まり、自立への第1歩も踏み出せたと思います。今回学んだことを忘れずにこれから頑張っていこうと思います。みんなに会えたこと、こんなに貴重な体験ができたことを誇りに思います。言葉では表せないほど本当に素敵な経験をすることができました。もし次参加できる機会があったらぜひ参加したいです。 関わってくれた全ての方々、生徒の皆さん、本当にありがとうございました! 科学へジャンプ 感想 高2男子(全盲) ワークショップの感想 1  バーコードの達人  バーコードは、最初の数字が国番号で、その次はメーカー番号が書いてあることがわかった。読み取り防止のパリティの仕組みについて学んだが、理解するのが難しかった。そして、パズルで作ったバーコードをスマホで読めたときは、すごく感動した。バーコードやQRコードは日常生活でもよく利用されていることから、その違いについて興味を持つことができたので良かった。自分でも、また調べてみたいと思った。 2  3D教材を使った学習  このワークショップで触ったものは、すべて教科書で聞いたことがあるものだったが、触ってみてもなかなか理解ができなかった。特に、県の形は何回触っても理解するのが難しかった。でも、二重螺旋構造は理解しやすかった。自分の頭の中の形は、主に丸、三角、四角のイメージが強く、それ以外の形があると混乱してしまうため、音声と形が同時にあるとイメージがつきやすいと感じた。 3  CODE JUMPER「初めての音階プログラミングに挑戦しよう」  それぞれのパーツを組み合わせ1曲作れたときはすごく嬉しかった。配線の繋がり方を触ったことで、どうやってループされているのかがわかった。 4 音楽をプログラミングしよう   以前受けたことのあるワークショップだったので、スムーズに操作方法を理解できた。以前は自分で曲を作れなかったが、今回は、エーデルワイスを打ち込むことができて嬉しかった。 その他   ロビンソン先生と英語で話せてとても勉強になった。特に、インドの英語の発音を聞いたことがなかったので、最初は聞き取れなかったが、しばらくすると聞き取れるようになり、会話ができたのがうれしかった。 そして、全国の視覚障害の学生や大学の先生と話すことで有意義な時間を過ごすことができた。この経験を機に理系科目についてももう少し頑張りたいと思った。また、いろいろなことに興味や関心を持ち、自分でも情報収集をしながら将来に向けて頑張っていきたい。最後に、科学へジャンプに参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。  科学へジャンプ・サマーキャンプ感想文 高2女子(全盲) 今回、私が科学へジャンプ・サマーキャンプに参加させて頂いた理由は、理科のあらゆる分野に興味があり、科学的な考え方や理科に対する興味・探求心を更に深めたいと考えたこと、同年代の視覚障害者同士の交流、将来に向けた情報収集の主に3点である。これらの目的は全て達成できたと感じ、このイベントだからこそ新たに気付けたこともたくさんあったと思う。 ワークショップに関しては特にバーコードの学習やプログラミング体験が印象に残っている。日常的に使用されているバーコードの、数字には国名やメーカーの意味が含まれていること、白色と黒色の横線についても規則正しく配列されていること等、普段注目することの無い奥深い作りになっていることを知り、圧倒された。プログラミングのワークショップでは、私はプログラミングを実際に自分で行うのは初めてで、プログラミングとはどのような操作をするのか、どのような技術が求められるのか等、イメージが全くつかず、とてもわくわくしており、プログラミングのどちらのワークショップともテクニックを習得すれば、機械を操作した通りに自分がイメージした物を作ることができるというプログラミングそのものの仕組み、パソコン等の機械の操作で(今回の場合は)音楽、他にもゲーム、アプリケーションを作ったり、更にはデータ解析にも応用できたりすることがとても面白いと感じた。これらのワークショップでは身近な科学に焦点を当て、普段なら気付かない隠された不思議をたくさん得ることができた。 同年代の視覚障害者、先輩との交流でも学ぶことが多くあった。2日間共に生活する中で、学校の環境が違う人同士で話をし、様々な話題で情報を共有でき、新たに知り、初めての場で生活したこともあり、将来生活するために必要なスキルを学ぶ場ともなった。また現在大学に通っている、社会で活躍されている視覚障害の方からのお話も今後を考える上でとても貴重な内容となった。 今回の科学へジャンプ・サマーキャンプはあらゆる面で学ぶことが多かったと思う。普段から視覚障害者同氏の生活の場が設けられているとはいえ、互いに初対面で初めての環境で生活したことで、いろいろなスキルを磨く場となり、また視覚障害者と理科を学ぶ機会としても貴重な経験であり、刺激的な2日間となった。 このような場を設けて頂いた皆様、本当にありがとうございました。 無題 高2男子(ロービジョン) 他の参加者さんとは、進路や自分の通っている学校などの話題で盛り上がることができて楽しかったです。自分にとって最も刺激になったことは、大学、大学院生の方々とお話ができたことです。私は自分の進路選択にとても悩んでいました。そんな中、先輩方に将来の進路選択にあたって実際に考えていたこと、受験勉強への取り組み方などをお聞きすることができ、とても参考になりました。良いことも悪いことも全て前向きに捉えて、自分の進路実現に向けて、少しずつ進んでいきたいと思います。 本当にありがとうございました。 無題 高2男子(全盲) 科学へジャンプでは、僕の知らない科学の世界を知ることができて、とても良かったです。 バーコードでは、僕はあまり仕組みを考えたことがなかったのですが、バーコードには法則があるということを知って、もっと知りたい、たくさん触れていきたいと思いました。 3Dプリンターのワークショップでは、教科書は一図形でしかありませんが、3Dプリンターで作った方が、目の見えにくい、見えない人にとてもわかりやすいので、世の中でもっと3Dプリンターが普及するといいなと思いました。 音楽関係のワークショップでは、音楽を論理的思考を使ってプログラミングしたり、パソコンで打ち込んだりするのに、最初はできるのかなと心配しましたが、いろいろなことを積み重ねていくうちに、論理的思考が身に付いた気がしました。これを通してプログラミングに興味を持ったので、将来プログラミングをしたいなとも思いました。打ち込みでは自分の好きな曲を打ち込みました。パソコンを使って打ち込みをするのは初めてでした。パソコンをうまく操作し、音楽を作っている人は凄いと思いました。僕ももっと本格的に打ち込みで音楽を作っていきたいです。 イベントもとても楽しかったです。僕たちが楽しめるように、いろいろと考えて下さったのだろうなと思いました。 こういう機会は滅多にないと思いますので、また機会があれば積極的に参加していきたいです。科学へジャンプに関わって下さった皆様に感謝します。本当にありがとうございました。 また、新しい友達を作ることができたのもよかったです。盲学校では生徒数が少ないというのもあり、こうして県外の人と繋がれる事は、視野を広げるきっかけにもなると思うので、とても嬉しく思いました。 科学へジャンプ・サマーキャンプ2022感想文 高3女子(ロービジョン) 今年もコロナ禍ですが、実施できたことをとても嬉しく思います。 「科学へジャンプ・サマーキャンプ!」には、初めて参加しました。今回参加した理由は、大学への進学を考えているので、普段学ぶ工学分野について学校とは違う視点からとらえることや全国の盲学校や視覚障害のある中学生や高校生と関わり、情報交流がしたいと思ったからです。キャンプ内で印象に残っていること・楽しかったことが書き残せないほどたくさんあるのですが、特に2つあります。 1つ目は、ワークショップ「バーコードのしくみを知ろう」です。このワークショップはキャンプ内で1番はじめに行ったものでとても緊張しましたが、ペアワークで楽しむことができました。バーコードを読み込むと出る数字には意味があり国番号や会社番号があること、バーコードの棒の太さには決まりがあり、それによって数字が決まることなど初めて知り理解できるととても嬉しかったです。 2つ目は、ホテルで女子メンバーと過ごしたことです。みんなで大浴場に行ったり感染対策をしたうえで、就寝前に女子会をしたりしたことです。女子会では、それぞれの地域の話や各学校の話をしました。普段できないような話ができてとても楽しかったです。 今後は、大学や就職に向けてパソコンの技術向上や効率の良い学習・生活のために実際に手で触れることや音声を活用していきたいと思います。 この機会だからこそ味わえた体験 高3女子(ロービジョン) 私は、県外に行き全国各地の同世代の視覚障害者と交流をしたいという目的で、科学へジャンプ・サマーキャンプに参加をしました。前日の夜は、どんな二日間になるのかとワクワクし、寝付くまでに少し時間がかかったほど楽しみにしていました。 今回のワークショップはどれも面白く、学んだ後も「もっと知りたい」と思うものばかりでした。私が一番気になっていたのはバーコードについてのワークショップです。番号やバーコードの線の意味などを知り、最後には実際にバーコードを作りました。自分達で作ったバーコードを読み込むことができた感動は忘れられません。 私は、この機会だからこそできないちょっとした冒険のようなことをしました。それは二つあり、参加した生徒だけで大浴場へ入りに行ったこと、女子会をしたことです。 一つ目の参加した生徒だけで大浴場へ入りに行ったことは、その日宿泊したホテルには大浴場があり、入りに行くことになりました。私は同世代の子達だけで大浴場へ行ったことがなかったので、冒険をしている気分でした。お互い見えづらく、混雑していたためコミュニケーションは必要不可欠でした。協力をし、自分達の力で大浴場に入ることができた時達成感がありました。 二つ目の女子会を行ったことは、女子全員一つの部屋に集まり、お菓子や飲み物を片手に(コロナ禍のため会話時はマスクをしていました)、自分が通学している盲学校についてや趣味、将来の夢などについて楽しく会話をしました。その時間でお互いのことをより知り、距離が縮まったと思います。 その他に、食事や移動、ワークショップの際などで参加者の方と交流ができ、参加した九人全員と連絡先を交換し、今現在でも連絡を取り合うほど仲良くなりました。 あっという間に二日間が終わり、少しずつ新潟駅から離れていくにつれて寂しい気持ちになっていきました。この時、本当に心の底から楽しかったことに気づきました。 科学へジャンプ・サマーキャンプを通し、これから疑問に思ったことは積極的に調べ、得た知識を応用し将来に繋げたいと思います。今回、最初で最後でしたが、また参加する機会があれば参加したいくらい楽しい二日間でした。 参加生徒たちの集合写真 <参加生徒について> ◆申し込み状況 応募者数:13人、参加生徒数:10人 ◆参加生徒の学年別人数 高校/高等部3年:2人、2年:4人 中学/中等部3年:1人、2年:2人、1年:1人 ◆参加生徒の学校種別人数 視覚特別支援学校:9人、一般校:1人 ◆参加生徒の都道府県別人数(出身地) 新潟県:3人、埼玉県:1人、神奈川県:1人、京都府:2人、大阪府:1人、奈良県:1人、徳島県:1人 ◆参加生徒の点字・拡大文字使用者数 点字使用者:4人、拡大文字使用者:6人 <スタッフ一覧> ◆当日運営スタッフ(講師を兼ねる人も含む)6人 渡辺 哲也(新潟大学) 小林 真(筑波技術大学) 南谷 和範(大学入試センター) 児玉 康一(愛知教育大学) 山口 俊光(新潟大学、新潟市障がい者ITサポートセンター) 蓮尾 高志(異能β) ◆講師 4人 Robinson Thamburaj (Madras Christian College) 赤木 雅弥(筑波技術大学) 村田 勇樹(キリンホールディングス) 井上 浩一(リコー) ◆学生スタッフ 5人 江澤 悠太 (新潟大学大学院自然科学研究科) 大矢 耕平 (新潟大学大学院自然科学研究科) 江口 茉奈美 (新潟大学大学院自然科学研究科) 石井 基暉 (新潟大学工学部) 外山 ひかる (新潟大学工学部) ◆当日は不在ですが、陰で支えてくれたスタッフ 山口 雄仁(日本大学、サイエンス・アクセシビリティ・ネット) 鈴木 昌和(サイエンス・アクセシビリティ・ネット) 鈴木 福江(サイエンス・アクセシビリティ・ネット) 金堀 利洋(筑波技術大学) 田中 仁(筑波技術大学) 小林 雅子(サイエンス・アクセシビリティ・ネット)