移動いどう  ロボットの  プログラムに  挑戦ちょうせん

1. はじめに

  プログラムは,  コンピューターの  マウスや  キーボードを  つかって  やる  ものと  思おもって  いる  方かたも  いるでしょう.  しかし,  この  ワーク  ショップでは,  マウスや  キーボードを  つかわずに,  木きの  ブロックを  ならべて  移動いどう  ロボットを  うごかす  プログラムを  つくります.  木きの  ブロックを  つかって  プログラムを  つくる  道具どうぐの  ことを  P-CUBEと  よびます.  うまく  ゆけば,  ロボットが  走行そうこう  コースから  はみださないように  じぶんで  うごきを  調節ちょうせつ  する  プログラムが  つくれます.

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2. ワーク  ショップの  進行しんこうに  ついて

  ワーク  ショップは,  導入どうにゅう,  プログラムの  つくりかた,  練習れんしゅう  問題もんだい,  アンケートの  順じゅんで  すすめます.  導入どうにゅうでは,  移動いどう  ロボット,  走行そうこう  コース,  プログラム  マット,  および  P-CUBEで  つかわれる  プログラミング  ブロックを  かくにん  します.

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3. 内容ないよう

3.1 導入どうにゅう

  これから  P-CUBEを  つかって  プログラムを  つくる  まえに,  つかう  ものを  たしかめて  おきましょう.  たしかめる  ものは  「移動いどう  ロボット」  「走行そうこう  コース」  「プログラム  マット」  「プログラミング  ブロック」の  4種類しゅるいです.

  

 

【移動いどう  ロボット】

  ワーク  ショップで  とりくむのは  プログラミングです.  プログラムで  うごかすのは  移動いどう  ロボットです.  まず,  移動いどう  ロボットを  さわって  ロボットの  “まえ”と  “うしろ”を  確認かくにん  しましょう.  フチが  まるい  ほうが  まえ,  直線ちょくせんの  ほうが  うしろです.

  ロボットの  うしろよりの  ひだりと  みぎに  それぞれ  1基きずつ,  モーターで  まわす  大おおきな  車輪しゃりんが  ついて  います.  ひとつの  車輪しゃりんに  1台だいの  モーターが  ついて  います.  車輪しゃりんが  回転かいてん  する  方向ほうこうを  調節ちょうせつ  すると  前進ぜんしん,  後こう進しん(バック),  右みぎ旋回せんかい,  左ひだり旋回せんかいと  すすむ  方向ほうこうを  かえる  ことが  できます.  これは  ロボットの  足あしですね.

  移動いどう  ロボットには  目めの  役割やくわりを  する  赤外線せきがいせん  センサーと  いう  ものも  ついて  います.  ロボットの  前まえの  下した,  ひだりと  みぎに  1つずつ  あります.  赤外線せきがいせん  センサーを  つかうと  ロボットの  したに  ある  道みちの  色いろを  見みわける  ことが  できます.  じょうずに  プログラムを  つくると,  黒くろい  線せんに  そって  ロボットが  うごいて  くれるように  なります.

  

 

【走行そうこう  コース】

  移動いどう  ロボットを  走行そうこう  させる  コースは,  白しろと  黒くろで  ぬりわけられて  います.  いちど  走行そうこう  コースを  さわって  みましょう.  スポンジのような  やわらかさが  ある  ところと  紙かみで  さらさら  した  ところが  あるのが  わかるでしょうか.  スポンジのように  やわらかい  ところが  黒色くろいろ,  紙かみの  さらさら  した  ところが  白色しろいろです.

  

 

【プログラム  マット】

  プログラム  マットは,  P-CUBEの  プログラミング  ブロックを  はめこんで  ならべる  ための  マットです.  プログラム  マットには  30個この  枠わくが  あり,  プログラムを  つくる  ときは,  上うえ(とおい  ほう)から  下した(てまえ)に  向むかって  ブロックを  おいて  いきます.  いちばん  はじめ  (プログラムの  さいしょ)の  ブロックは,  下したの  図ずの  赤あかい  まるで  かこまれた  ところ,  もっとも  上うえの  段だんの  左側ひだりがわの  わくに  入いれます.  さいしょに  たしかめて  おきましょう.

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【プログラミング  ブロック】

  P-CUBEは,  木きの  ブロックを  並ならべて  移動いどう  ロボットの  プログラムが  できる  装置そうちです.  ブロックは  「プログラミング  ブロック」と  よばれ,  移動いどう  ロボットに  指示しじ  する  内容ないように  よって  つかいわけます.  プログラミング  ブロックの  種類しゅるいを  じゅんばんに  たしかめて  いきましょう.

  

・どうさ  ブロック

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  移動いどう  ロボットの  うごく  方向ほうこうを  指定してい  する  ための  ブロックです.  スギで  できて  いて  立方体りっぽうたいのような  形かたちを  して  います.  さらさら  して  いて  木きの  かおりが  するのが  わかるでしょうか.

  なにも  凹凸おうとつが  ない  面めんが  上うえと  下したです.  上側うえがわの  角かどは  ななめに  きりとられて  いて  すぼまって  いるのが  わかるでしょうか.  つぎに  凹凸おうとつが  ある  横よこ側がわの  側面そくめんに  うつります.  側面そくめんは  ぜんぶで  4面めん  あります.  それぞれの  面めんが  「前進ぜんしん」  「後こう進しん  (バック)」  「右みぎ旋回せんかい」  「左ひだり旋回せんかい」を  あらわして  います.  どの  面めんが  どんな  動作どうさか  わかるでしょうか.  凹凸おうとつは  矢印やじるしの  かたちを  して  いて,  スポンジ状じょうの  やわらかい  ところが  さす  むきが  移動いどう  ロボットの  すすむ  方向ほうこうを  あらわして  います.

  

 

・タイマー  ブロック

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  タイマー  ブロックは,  移動いどう  ロボットの  動作どうさ  時間じかんを  設定せってい  する  ための  ブロックです.  もちあげて  みましょう.  どうさ  ブロックと  おもさや  てざわりが  ちがうのが  わかるでしょうか.  タイマー  ブロックは  コルクと  いう  かるい  材料ざいりょうで  できて  います.  かたちは  どうさ  ブロックと  おなじです.  角かどが  ななめに  きりとられて  いて  すぼまって  いるのが  上側うえがわです.  側面そくめん  4面めんには  動作どうさ  させる  時間じかんの  ながさを  あらわした  砂すな時計どけいが  凹凸おうとつで  かかれて  います.  4つの  凸とつが  ある  面めんが  もっとも  ながい  動作どうさ  時間じかん,  1つしか  凸とつが  ない  面めんが  もっとも  みじかい  動作どうさ  時間じかんを  あらわして  います.

  

 

・くりかえし(LOOP)  ブロック

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  くりかえし(LOOP=ループ)  ブロックは,  移動いどう  ロボットの  動作どうさを  持続じぞく  させたい  ときに  使つかいます.  さわって  みると  どうさ  ブロックや  タイマー  ブロックに  くらべて  大おおきくて  おもい  ことが  わかるでしょうか.  くりかえし  ブロックは,  ケヤキで  できて  います.  2つの  ブロックが  ひもで  つながれて  対つい(セット)に  なって  います.  くりかえしたい  処理しょり,  たとえば  「前進ぜんしん」などを  対つい(セット)の  ブロックで  はさみます.  あいだに  はさむ  ブロックの  かずは,  プログラム  マットに  はいる  範囲はんいで  あれば  制限せいげんは  ありません.

  

 

・IFブロック

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  IFブロックは  「イフ  ブロック」と  読よみます.  日本語にほんごで  「もしも  ブロック」と  よんでも  よいでしょう.  この  ブロックは  移動いどう  ロボットの  状態じょうたいに  よって  ロボットの  うごきを  かえたい  ときに  つかいます.  移動いどう  ロボットに  赤外線せきがいせん  センサーが  ある  ことは  ロボットに  さわった  ときに  確認かくにん  して  いるでしょう.  たとえば,  この  赤外線せきがいせん  センサーから  よみこまれた  情報じょうほうが  白しろ  (さらさら)か,  黒くろ  (やわらかい)かに  よって  移動いどう  ロボットの  うごきを  「白しろの  ときは  前進ぜんしん,  黒くろの  ときは  右みぎ旋回せんかい」などと  かえたい  ときに  つかいます.

  IFブロックも  くりかえし  ブロックと  おなじように,  2つの  ブロックが  対つい(セット)に  なって  いて,  条件じょうけんに  よって  かえる  処理しょりを  「はじまり  ブロック」と  「おわり  ブロック」で  はさみます.  「はじまり  ブロック」は,  手てで  ふれる  面めんが  ひしがたに  ちかい  かたちを  して  います.  「おわり  ブロック」は,  半円はんえんに  近ちかい  かたちを  して  います.  「はじまり  ブロック」の  上面じょうめんは  白色しろいろと  黒色くろいろで  分わかれて  いますが,  これは  ロボットの  走行そうこう  コースの  白色しろいろ  (さらっと  した  紙かみ)と  黒色くろいろ  (やわらかい  スポンジ)と  同おなじ  材料ざいりょうが  使つかわれて  います.  手て触ざわりで  確認かくにん  して  みて  ください.

  「はじまり  ブロック」は,  ロボットに  ある  赤外線せきがいせん  センサーの  みぎ用ようと  ひだり用ようで  わかれて  います.  それぞれの  ブロックの  色いろは  きいろ(右みぎ)と  あおいろ(左ひだり)で  ぬりわけられて  います.  また,  赤外線せきがいせん  センサーの  位置いち  (みぎか  ひだりか)と  おなじ側がわが  おもく  なって  います.  ほかにも  赤外線せきがいせん  センサーの  ばしょと  おなじ側がわ,  ブロックの  うえに  ちいさく  まるい  凸とつが  あります.  手てざわりでも  確認かくにん  して  みましょう.  「はじまり  ブロック」は,  はめこむ  ときの  むきが  きまって  います.  上うえ(むこうがわ)に  くる  面めんには,  手てで  もつ  ときの  指ゆびの  くぼみが  あります.  また,  「おわり  ブロック」は  まるい  ほうが  下した(てまえ)です.

  

3.2 プログラムの  つくりかた

【プログラム  1】

  さいしょに  どうさ  ブロック(前進ぜんしん)を  1個こ,  プログラム  マットに  配置はいち  して  みましょう.  ロボットは  動うごくでしょうか.  動うごかない  はずです.  なぜでしょう・・・?

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【プログラム  2】:  順次じゅんじ(シーケンシャル)  プログラム

  移動いどう  ロボットを  動うごかす  ためには,  タイマー  ブロックを  使つかって  みる  方法ほうほうが  あります.  さきほど  【プログラム  1】で  置おいた  どうさ  ブロックの  右側みぎがわに  タイマー  ブロックを  置おいて  みましょう.  ロボットは  どんな  動うごきを  するでしょうか?  また,  時間じかんが  あったら  タイマー  ブロックの  置おく  面めんを  変かえると  動うごきは  どのように  変かわるでしょうか?

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【プログラム  3】:  くりかえし  プログラム

  さきほどの  プログラム(【プログラム  2】)では,  ロボットが  動うごいた  あと,  すぐに  止とまって  しまいます.  ロボットを  動うごかしつづけたい  とき  (たとえば,  ずっと  右みぎに  旋回せんかい  させつづけたい  とき)は,  「くりかえし  ブロック」を  使つかう  方法ほうほうが  あります.  では,  くりかえし  ブロックの  片方かたほうを  一番いちばん  上うえに  置おき,  次つぎに  どうさ  ブロック  (右みぎ旋回せんかい  させつづけたい  ときは  右みぎ旋回せんかいを  上うえに)を  置おきましょう.  その  下したに  くりかえし  ブロックの  片方かたほうを  置おいて  どうさ  ブロックを  はさんで  みたら,  ロボットを  走はしらせて  みましょう.

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【プログラム  4】:  条件じょうけん  分岐ぶんき  プログラム  1

  これまでの  プログラムでは,  ロボットは  プログラム  マットの  うえに  おいた  どうさ  ブロックの  方向ほうこうにしか  うごけませんでした.  ロボットが  コース  ラインに  そうように  うごく  ためには,  ラインから  はずれないように  うごく  方向ほうこうを  調整ちょうせい  しなければ  なりません.  ラインから  はずれて  いるかは  赤外線せきがいせん  センサーを  つかって  ロボットの  したに  ある  色いろを  見みわける  ことで  判断はんだん  します.  色いろに  よって  うごく  方向ほうこうを  かえながら  ラインに  そって  うごく  プログラムの  ことを  ライン  トレース  プログラムと  いいます.  赤外線せきがいせん  センサーが  よみとった  色いろに  応おうじて  うごく  方向ほうこうを  変かえるには  IFブロックを  つかいます.

  まず,  IFブロックを  ひとつ  (右みぎセンサー/左ひだりセンサーの  どちらでも  構かまいません)  つかった  ライン  トレース  プログラムに  挑戦ちょうせん  して  みましょう.  コースは  四角しかくい  周回しゅうかい  コースです.  IFブロック  (はじまり)の  下したには,  ロボットの  赤外線せきがいせん  センサーから  読よみ取とられた  情報じょうほうに  応おうじた  どうさ  ブロックを  置おきます.  こう  する  ことで,  センサーからの  条件じょうけんに  よって  ロボットは  動うごく  方向ほうこうを  変かえます.  さて,  ロボットの  下したが  白色しろいろ  (さらさらの  紙かみ)の  ときと  黒色くろいろ  (やわらかい  スポンジ)の  とき,  それぞれ  どの  どうさ  ブロックを  置おけば,  コースに  沿そって  走はしるでしょうか.  ここで  注意ちゅうい  しなければ  ならないのは,  IFブロックと  どうさ  ブロックだけでは,  ロボットは  動うごきません.  どの  ブロックが  必要ひつようでしょう?

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【プログラム  5】:  条件じょうけん  分岐ぶんき  プログラム  2

  【プログラム  4】では  赤外線せきがいせん  センサーを  1個こだけ  使つかいました.  さいごに,  赤外線せきがいせん  センサー  2つを  使つかう  方法ほうほうを  考かんがえて  みましょう.  コースの  ラインは  黒色くろいろ  (やわらかい  マット)ですか?  それとも  白色しろいろ  (さらさら  した  紙かみ)ですか?  ロボットに  ある  ふたつの  赤外線せきがいせん  センサーで  コースの  線せんを  はさむように  して  走はしらせる  ことが  できる  はずです.  <右みぎ,  左ひだり>の  赤外線せきがいせん  センサーが  読よんだ  情報じょうほうが  <黒くろ  (やわらかい),  黒くろ  (やわらかい)>の  とき,  <白しろ  (さらさら),  白しろ  (さらさら)>の  とき,  <黒くろ  (やわらかい),  白しろ  (さらさら)>の  とき,  <白しろ  (さらさら),  黒くろ  (やわらかい)>の  とき,  それぞれ  どのような  動うごきを  すれば  よいか  考かんがえて  みて  ください.

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3.3 練習れんしゅう  問題もんだい

  さて,  あたらしい  コースを  用意ようい  しました.  さっき  【プログラム  5】で  とりくんだ  ときと  コースの  色いろ  (やわらかい  ところと  さらさら  した  ところ)が  逆ぎゃくに  なって  いるのが  わかりますか?  では  赤外線せきがいせん  センサー  2個こを  つかって  コースに  そって  はしる  プログラムを  つくって  みましょう.

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